日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第7回日本ロービジョン学会学術総会・第15回視覚障害リハビリテーション研究発表大会合同会議 プログラム・抄録集
セッションID: PII-35
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ポスター発表 II
NEI VFQ-25を用いた短期ロービジョン入院リハによる訓練効果の評価
*角田 亮子仲泊 聡斎藤 奈緒子渡辺 文治末田 靖則中村 泰三
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抄録

【目的】当院では平成15年より、ロービジョン患者に対して2泊3日という短期入院で集中的に訓練を行っており、昨年渡辺らが報告した。患者からは、「色々な経験を積むことが出来た」「出来ないと諦めていた事が出来るとわかった」などポジティブな感想を得た。今回、これを定量的に評価する必要性があると考え、NEI VFQ_-_25(日本語版、以下VFQ-25)を用いて視覚関連QOLの観点からその訓練効果を評価した。
【対象と方法】対象は、平成17年に短期入院をした女性患者3名(視神経萎縮1名、網膜色素変性2名)である。訓練は、患者のニ_-_ズをもとにプログラムを組み、補助具の選定、拡大読書器の練習、歩行訓練、日常生活訓練等を行った。QOL評価はVFQ-25を使用し、入院当日と退院2ヵ月後に行った。スコアリングは12の下位尺度のうち、「一般的見え方」「近見視力による行動」「遠見視力による行動」「社会生活機能」「心の健康」「役割機能」「自立」の7つを用いてその得点の平均値を求め、入院前後で比較した。
【結果】総合得点は、視神経萎縮患者で、入院前の21.6から退院2ヵ月後では19.2となり、網膜色素変性患者の一方では、32.1から38.4となり、他方では23.6から41.6となった。7つの下位尺度のうち「遠見視力の行動」の得点は全員上昇した。「心の健康」は訓練前後で大きく差が見られたが、3名の傾向は一致しなかった。
【結論】今回行った3名では、短期入院中の訓練が、特に「遠見視力の行動」と「心の健康」に影響を与えている可能性が示唆された。

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© 2006 日本ロービジョン学会・日本視覚障害リハビリテーション協会
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