日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第9回日本ロービジョン学会学術総会
セッションID: PIV-03
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ロービジョンケアが困難である全身症状のある患者さんについて
*高橋 知美
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抄録
目的:ロービジョンケアを行っているが全身症状のある疾患のため困難である症例を経験したので報告する。 症例:38歳、女性。平成17年1月に発症した原因不明の全身症状のある疾患のため発症から3ヶ月で視力が右眼(1.2)から光覚なし、左眼1.2から0.03 まで低下した。縫製関係の仕事をしていたが入院、通院などもあり退職。歩行は明るいところであれば自力で歩行可能。しかしなれない場所は家族の付き添いがないと困難となった。本人は行動範囲が狭まったため拡大鏡処方と日常生活訓練を希望されロービジョン外来を受診した。拡大鏡は7倍のものを使用することで雑誌などは読む事が可能となった。しかし日常生活訓練は診断がついていない全身性疾患のため眼症状も含め安定していないため順調にはすすんでいない。比較的近距離にある県内の盲学校で歩行訓練を受けれることとなったが当日に体調を崩し通学できない事が多い。 考察:2004年8月から山形大学ロービジョン外来が開始してから2008年現在まで69人(男37人、女32人)受診したが受診時診断名がついている患者がほとんどであり症状も比較的安定していた。そのため十分ではないかもしれないがそれぞれのニーズに近い事は行えていたと考えられる。今回のケースのよう生活訓練を受ける施設までの通所のための移動手段を訓練する事も通院のため予定通りに行えないため希望に添えているとはいえない。患者さんの年齢が比較的若いため他施設と連携をとりロービジョンケアをすすめて行かなければならないと考えられる。
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© 2008 日本ロービジョン学会・日本視覚障害リハビリテーション協会
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