2017 年 38 巻 2 号 p. 167-178
近年,歯周治療においては,新しい治療手段として各種のレーザーの臨床応用が進んでいる.Er:YAG レーザーは,熱による組織ダメージが少なく,創傷治癒を妨げずに軟組織と硬組織の蒸散が可能であるため,歯周治療に最適なレーザーである.これまでEr:YAG レーザーの歯周ポケット治療への応用では,従来法に対して有意に高い効果があるとする報告がいくつか認められるが,レーザーの照射法や照射条件の相違により,その評価は一定していない.本総説では,これまでに報告された臨床研究をレビューすると共に,従来の術式にEr:YAG レーザーを複合的に併用する私たちの新たな術式を紹介する.