2019 年 39 巻 4 号 p. 329-334
テラヘルツ(THz)波によるバイオセンシングは,生体関連試料の微弱な分子運動を非侵襲かつ非標識でセンシングできる点から,生命機能に関わる有用な情報を抽出できる手法として注目されている.しかし,THz波の回折限界と水への強い吸収の影響から,高感度かつ定量的な測定が困難であり,バイオセンシングに欠かせないコンパクトなチップ開発が遅れているのが現状である.本研究では,これらの解決策として非線形光学結晶ベースのTHzマイクロ流路チップを提案し,レーザー光照射により局所的に発生するTHz波光源を利用した微量バイオセンシングの可能性について報告する.