日本レーザー医学会誌
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総説
ショートマルチモードファイバープローブを用いたin vivoラット脳の断層イメージング
佐藤 学 江藤 魁増田 純平井上 健司黒谷 玲子阿部 宏之西舘 泉
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2020 年 41 巻 1 号 p. 9-17

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抄録

直径125 μm,長さ7.4 mmの光通信用ファイバーをOCM(optical coherence microscopy)のイメージプローブに用いて,in vivoラット脳の断層画像を測定した.深さ分解能,横方向分解能は,それぞれ2.14 μm,2.3 μmである.SMMFを最大4 mmまで挿入して視野直径47 μm,SMMF端面から深さ147 μmまで測定を行った.深さ20~90 μmで,粒状や5 μm~10 μmの繊維状の形態情報が得られた.三次元の繊維形態が51.5 μm × 51.5 μm × 深さ104 μmの領域で確認され,さらに,内部の14.9 μm × 12.4 μm × 深さ8.1 μmの領域でも,繊維の接続や屈曲状態が確認された.また,OCM画像信号の積算値が灰白質の底部で最大値を取っており,神経線維の断層画像が測定された.今後,再生医療やがん診断,また腹腔鏡ロボットなどの分野で応用が考えられる.

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