2022 年 43 巻 1 号 p. 2-8
光線力学的治療(photodynamic therapy: PDT)は中心型早期肺癌に対する標準的な治療法の一つであり,その治療成績向上のためには,腫瘍の範囲を正確に診断し,適切にレーザー照射を行うことが重要であるが,一部の内視鏡システムは,光感受性物質であるタラポルフィンナトリウム注射後の腫瘍進展範囲の評価に不向きである点や,レーザー光により色情報が担保できず,適切なレーザー照射に苦慮するなどの課題があった.今回は,同時式内視鏡システムELUXEO 7000®(富士フイルム株式会社)を用いてPDTの治療成績向上に向けた工夫を検討した.