論文ID: jslsm-43_0031
東京女子医大八千代医療センター及びさいたま赤十字病院で診療した乳児血管腫(infantile hemangioma: IH)207例中,頭部・顔面IHの79例に対して波長595 nmのパルス幅可変式色素レーザー照射あるいは薬物治療としてプロプラノロール内服治療,その併用である‘ハイブリッド療法’を生命予後を脅かす部位や機能障害を残す部位のハイリスクIH症例らに対して治療を行なった.また頭部・顔面以外の重篤な後遺症を残さないIHで経過観察を行なった症例と何らかの治療を行なった頭部・顔面IH症例の12週間後,24週間後の改善を5項目のrating scaleで評価し,統計学的に比較検討した結果,治療群では24週間後には経過観察群と比較してIHの改善に有意な差が認められた.従って重篤な後遺症を残さないためにも頭部・顔面IHに対しては積極的にレーザー治療,薬物治療を取り組むべきであると考えられた.