抄録
近年, 蛍光画像診断が肺癌診断に用いられている。特にハイリスクグループにおいては, オカルトキャンサーの局在診断の有力な方法の一つとして注目されている。我々の施設では肺癌の早期診断にPhotofrin®とエキシマダイレーザー蛍光画像解析装置を臨床応用している。このシステムでは, Photofrin®特有の蛍光スペクトルと内視鏡イメージ画像が同時にモニター上に表示される。本装置を用いて, 8例の上皮内癌, 2例の声帯癌を含む23例の肺癌の蛍光画像診断を行った。1例を除いたすべての症例において蛍光を観察できたが, 一方23例中10例に疑陽性を認めた。レーザービームの拡張. 蛍光の平均化などの諸問題を解決する必要はあるが1本装置による癌の早期診断の可能性が示唆された。