日本レーザー医学会誌
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眼科領域における光化学療法
森 圭介米谷 新
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1997 年 18 巻 3 号 p. 31-36

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抄録
加齢性黄斑変性における脈絡膜新生血管は失明の主要病因である。現在脈絡膜細生血管に対して認められている唯一の治療法は熱作用によるレーザー光凝固であるが, 網膜全層の瞳害により治療による視力低下を引き起こしてしまう。一方, 光化学療法は光感受性物質の集積した組織のみを選択的に障害しうる治療法である。第二世代光感受性物質の一つであるmono-l-aspertyl chlorin e6 (NPe6) は、皮膚過敏性は低く, 長波長域にその最大吸光波長を有し, 水溶性で組織代謝が速く, 光感受能が高いなどの優れた特性を持つ。我々はNPe6の眼科臨床への応用のため, その最大吸光波長を発振するダイオードレーザーとそのデリバリーシステムを開発した。加えて, 実験的脈絡膜新生血管にNPe6を用いた光化学療法を施行し, 脈絡膜新生血管の選択的閉塞を得ることに成功した。このことから, NPe6を用いた光化学療法は安全にかつ有効に加齢性黄斑変性を治療しうる可能性が示唆された。
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