昭和医学会雑誌
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仰臥位, 体の部分的強圧, 及び末梢低周波刺激による脳波変化の類同性
羅 昌平武重 千冬
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1977 年 37 巻 3 号 p. 279-286

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抄録

家兎に慢性的に電極を植えこみ, 皮質下脳波を記録し, 動物を仰臥位にしたり, 体の一部に強圧を加えたり, 末梢に針電極を介して低周波刺激 (針刺激) を与えたりすると互いによく似た脳波変化が現われる.
すなわち家兎の皮質下脳波は覚醒時θ波が基盤となっているが, これらの操作による初期の変化は脳波のリズムの減少, 振幅の減少で, 周波数分析した脳波ではθ波の減少となって現われる.その後, δ波の増大が出現する.睡眠脳波ではδ波の増大とθ波の減少とは一致して現われるが, 上記の状態ではθ波の減少が単独で出現する.
仰臥位, 体の部分的強圧, 単調な刺激はすべて動物催眠を誘起する方法であるが, 仰臥位による動物催眠では動物はある時間経過した後起き上り, 脳波変化も覚醒波となって後効果は現われないが, 後の二者では刺激終了後も変化が持続する後効果が現われる.
単調な刺激に属する針刺激では, 脳波の変化が現われるまでに数分の潜伏期を必要とする.この潜伏期は再度の刺激で短縮する.針刺激によって脳波の変化を来たすのには, 軽度の筋収縮を起こす程度の強さの筋刺激がもっとも有効であった.弱すぎたり強すぎたりしても脳波に変化は出現しない.
中脳の中心部 (中脳中心灰白質及び近傍組織) を直接電気刺激するに, 上記の脳波変化と似た脳波変化が現われた.
自己受容性の受容器及び中脳中心部を, このような共通の脳波変化を来たす機序として考察した.

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