昭和医学会雑誌
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膀胱直腸障害を伴った帯状疱疹の3例
福岡 俊明城戸 邦彦柳沢 宏実岩井 雅彦
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1982 年 42 巻 3 号 p. 403-408

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抄録
膀胱直腸障害を伴った仙髄域の帯状疱疹を3例経験した.症例1: 20歳, 女.初診3日前に排尿, 排便困難が, 2日前にS2からS5の領域に神経痛様疼痛を伴う皮疹が出現した.皮疹は8日後, 神経痛様疼痛は16日後, 排便困難は21目後, 排尿困難は27日後に, それぞれ消失した.症例2: 32歳, 女.初診2日前より, S1からS5の領域に神経痛様疼痛を伴った皮疹, 初診3日後より排尿, 排便困難が出現した.排尿, 排便困難は5日で改善し, 皮疹, 神経痛様疼痛は10日でほぼ消失した.症例3: 56, 女.初診2日前より, S1からS4の領域に神経痛様疼痛を伴った皮疹が発生し, 同時に排尿, 排便困難を合併していた.皮疹の軽快とともに, 神経痛様疼痛, 排尿困難, 排便困難は8日間で改善された.自験例を含め本邦報告例33例を総括し, 膀胱の神経支配について若干の事項を述べた.
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