昭和医学会雑誌
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急性肝炎の回復期に発症した急性化膿性閉塞性胆管炎の1例
渡辺 浩之井上 梅樹布上 直和田口 進斉藤 博文八田 善夫善山 金彦小泉 和雄神谷 憲太郎片岡 徹石井 淳一
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1982 年 42 巻 6 号 p. 825-830

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抄録

急性肝炎回復時に, 悪感戦慄を伴なった発熱と右季肋部痛, 閉塞性黄疸の所見を呈し, 発症3日目にはショック状態となり, 急性閉塞性胆管炎と診断.直ちに外科にて開腹術施行.胆道は凝血塊が充満しており, Tチューブ挿入による減圧を試みるもショック症状の改善が得られず救命し得なかった症例を経験した.急性閉塞性化膿性胆管炎は, 早期診断, 手術を施行しないと重篤な経過を取り死亡する例が多い.その診断にはCharcot's trias (右季肋部痛, 黄疸, 発熱) が重要であり, 閉塞性黄疸例では本症をつねに念頭におき, 早期の的確な処置を行う必要があると考えられる.

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