昭和医学会雑誌
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Diffuse typeのB cell悪性リンパ腫におけるT-cellのRest Population
―Alpha-Naphthyl-Acetate-Esterase染色による検索―
杉山 喜彦太田 秀一塩川 章梶山 浩滝本 雅文九島 巳樹渡辺 秀義鶴田 幸男近藤 和男夏川 周介
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1984 年 44 巻 6 号 p. 771-774

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抄録

ANAE染色を用いてB-cell起源のDiffuse LymphomaにおけるT-cellのRest Populationを検索した.症例は15例のCLL, 30例のImmunocytoma, 5例のProlymphocytic Lymphoma17例のCentrocytoma及び16例のImmunoblastic Lymphomaである.ANAE染色によるDroplet cellのパーセントは症例によりかなり変動がみられたが, 平均値ではImmunoblastic Lymphomaが最も高値を示し, CLLが最も低かった.Bcell起源でしかもdiffuseな増殖パターンを示すリンパ腫の中にもかなりのT-cell Rest Populationが存在することが示唆された.これはB-cell Lymphomaの中にTγの絶対数の増加を示したという報告やANAE negativeのT-ce11の存在を考えれば, 今回の検索で示された値より, さらに多いT-cell Restが存在することが考えられる.

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