昭和医学会雑誌
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実験的虚血性筋疾患における筋病変の分布について
真木 寿之佐藤 温鈴木 義夫塩田 純一大石 晴二郎杉田 幸二郎
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1985 年 45 巻 4 号 p. 557-563

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抄録

研究目的は虚血性病変の筋内分布を明らかにし, 次に病変分布の決定に関与する因子について筋内の血管構築との関連性から検討を試みる事である.対象は8匹の猫である.
方法は腹部大動脈, 右総腸骨動脈, 右大腿動脈の三ヵ所を同時に結さつして虚血筋を作成.結さつ時間は1~10時間.3~10日後に屠殺して右内側腓腹筋を摘出し組織化学的に検索した.結果: 虚血による初期病変は動脈結さつ後2時間目から出現.虚血時間の推移による筋病変の変化をみると2時間虚血ではphagocytesを伴う数個の筋線維が散在性に出現し, 5~6時間虚血では初期病変が拡大し10数個の壊死線維が融合し, 7~10時間虚血では壊死線維の大きな集塊像が認められた.各筋線の虚血に対する感受性はtype I fber≧type IIA fiber>type IIB fiberの順であった.筋内に於ける初期病変の出現部位は血管分布と密接な関連が認められ, 個々の筋をかん流する主動脈間の最も末梢部, すなわちwatershed areaに相当する部位であった.結論: 実験的虚血性筋疾患における筋病変の筋内分布を決定する要因として, 筋内血管の分布パターンとの関連性が最も重要であり一次的な役割を果たしている事が推測された.虚血に対して種々の感受性差を示す筋線維型との関連は二次的なものであると考えられた.

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