昭和医学会雑誌
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Borrmann 4型胃癌の生検診断
岩井 裕子清水 浩二浅川 清人鈴木 快輔佐竹 儀治藤田 力也佐川 文明
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1985 年 45 巻 4 号 p. 565-569

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抄録

当院において1977年から1981年までの5年間にBorrmann4型胃癌と診断された症例は60例におよぶ.その60例 (男性32例, 女性28例) について生検結果を検討した.生検による正診率は平均86.0%であり, 諸家の報告とほぼ同率であった.生検を行なった病変部の性状と癌陽性率との関係をみると, びらん・潰瘍辺縁からの生検陽性率が62.5%であるのに対し, 巨大皺壁からのそれは46.2%と低値であり, 生検は潰瘍辺縁を中心に行なった方が有効と思われた.また, Borrmann 4型胃癌が粘膜面に露出しにくい点も考慮し, 生検診断のみに頼らず, Borrmann 4型胃癌の内視鏡的特徴を十分把握した上で肉眼的診断を行なう心がけが必要であろう.Borrmann 4型胃癌の診断後の経過についてみると, 胃切除術を施行しえた症例は14例 (23.3%) にとどまった.また, 生存期間も大部分が2年未満であり, その予後は極めて不良であった.

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