経肛門的直腸異物を2例経験したので報告する, 症例1: 25歳, 男性。自慰行為にてウイスキーのミニボトルを経肛門的に挿入.腰椎麻酔下にて非観血的に異物を抜去したが, 術後2日目になって腹膜刺激症状, 腹腔内遊離ガス像が出現開腹手術を施行し, 直腸前壁に穿孔を認めた, 症例2: 36歳, 男性自慰行為にてシャンプー瓶を経肛門的に挿入, 腰椎麻酔下にて非観血的に異物を抜去し, 術後経過は順調であった.本邦においては経肛門的異物の報告は少いが, 今後は増加することが予想され, その治療には苦慮する点も多い.われわれの経験した2症例に若干の文献的考察を加えて報告する.