1988 年 48 巻 3 号 p. 429-432
比較的まれとされているリンパ節疾患7例につきANAEおよびATPase染色によりT-cellとB-cellの量的変動を検索した. T-zone LymphomaにおいてはややT-cellが多く, Prolymphocytic LeukemiaおよびCastleman's LymphomaにおいてはB-cellが大半を占めた.Non Hodgkin's Lymphomaの諸分類においていまだ一定の疾患単位とされていないT-zone Lymphoma, 細胞の発生起源に関して諸説のあるProlymphocytic LeukemiaやCastleman's Lymphomaにおいては, 今回のわれわれの検索結果は少なくともこれらのまれな疾患においてその増生の主体をなすリンパ球の機能の一面を示す所見と考えられる.