昭和医学会雑誌
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虫垂杯細胞カルチノイド (Goblet Cell Carcinoid) の1手術例
中野 浩幡谷 潔佐々木 栄一島田 徹治辻本 志朗佐川 文明生田目 公夫
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1990 年 50 巻 3 号 p. 340-345

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抄録

虫垂杯細胞カルチノイドは虫垂カルチノイドの一亜群であるが, わが国では比較的まれな腫瘍である.本腫瘍はその病理組織学的所見上, また, 臨床上通常のカルチノイド腫瘍とは区別して考えるべき特徴を有している.組織学的には本腫瘍は銀反応陽性の粘液産生性細胞より構成されている.臨床的悪性度としては通常のカルチノイドと分化型腺癌との中間に位置すると考えられる.また, 手術としては右半結腸切除術の必要な症例も多いと考えられる.その予後に関しては, 腹膜再発をきたし予後不良の症例も数多く報告されている.今回われわれは虫垂杯細胞カルチノイドの症例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.

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