昭和医学会雑誌
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胃および大腸における原発性腺扁平上皮癌6症例の臨床病理学的検討
廣本 雅之日下部 輝夫津嶋 秀史嘉悦 勉小林 英昭前田 隆志
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キーワード: 胃癌, 大腸癌, 腺扁平上皮癌
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1990 年 50 巻 6 号 p. 646-651

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抄録

胃, 大腸の原発性腺扁平上皮癌のまれな6症例を経験し, 検討したので報告する.腺扁平上皮癌を呈した胃癌は2例で, MA, seiの2型癌およびMC, ssβの3型癌であった.大腸は4例で, Rs, ssの1型癌, D, sの4型癌, S, ssの2型癌およびD, ssの2型癌であった.これら6症例につき臨床病理組織学的に検討した.発生機転を考えるに, 組織像においてすべてに, 同一腺管内に腺癌と扁平上皮癌が同時に存在する所見を得, 扁平上皮癌部分でもPAS, Alcian-Blue染色陽性の腸性粘液を有する細胞を認めたことより, 腺癌の扁平上皮化生により扁平上皮癌が発生したものと考えられ, 腺扁平上皮癌は腺癌の2次的修飾像と思われた.

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