昭和医学会雑誌
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高脂血症を合併し膵炎発作を繰り返した慢性膵炎の一例
浅川 義夫広石 和正舩冨 等八田 善夫坂元 修竹内 治男
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1992 年 52 巻 1 号 p. 109-112

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抄録

高脂血症を合併し, 膵炎発作を繰り返した慢性膵炎の一例を報告した.症例は56歳, 男性.心窩部痛, 左季肋部痛を主訴に来院し, 血中, 尿中膵酵素の上昇とともに血中コレステロール, 中性脂肪高値を指摘され入院となる.症例はアルコール多飲者であり, 同様の症状を数回経験しており, 4年前には某医より高脂血症を指摘されている.入院時のリポ蛋白分画ではカイロミクロン, pre-βリポ蛋白が増加しており, FredricksonV型と診断した.膵炎回復後のERCPでは慢性膵炎II群であり, 入院中食事脂肪を増量したところ血中中性脂肪の上昇とともに膵炎は再燃した.以上より, 本例における慢性膵炎の原因として, アルコールの関与は否定できないが, 高脂血症が主体と考えられた.

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