1995 年 55 巻 3 号 p. 298-301
後方進入椎体間固定術はCloward法を初めとして数多くの方法が発表されているがいずれも自家骨移植によるものである.今回我々はチタン製中空スクリューによる後方進入椎体間固定術を行ったので報告する.症例は53歳男性, 腰痛, 左下肢痛およびシビレ感, 左下垂足を主訴として来院.不安定性をともなった腰部脊柱管狭窄症と診断し, 手術を行った.手術は腰椎後方より進入, L4, L5後方部を広範囲に展開した.椎間板ヘルニアを摘除後, Threaded Fusion Cage2本と腸骨からの海綿骨移植を行った.Threaded Fusion Cageは1991年C.D.Rayにより発表されて以来国外では報告が散見されるが, 本邦では我々が知り得た限りではまだ報告はない.従来からの後方進入椎体間固定術と比較して本法の特徴を報告する.