抄録
近年, 胸腔鏡下手術が普及し, 呼吸器外科手術における主役の座を奪おうとする勢いである本術式は, Video-Assisted Thoracic Surgery (VATS) と呼ばれ, 3-CCDカメラなど視聴覚機器の進歩や, 内視鏡下手術に適した自動縫合器, ならびにその周辺機器の開発によって確立されている.今回, 当科におけるVATS施行の現状とともに, 今後も積極的な応用が期待し得る疾患を中心に検討した.本術式では, これまでの標準的な開胸法を行なわずに, 肺切除や縦隔腫瘍摘出, 胸膜病変の診断治療をはじめ, 心タンポナーデに対する心膜開窓術など心大血管病変や, さらに食道疾患にも応用可能であり, 病態に応じて適応範囲も広く得られ, 今後の発展が期待される.