2001 年 61 巻 1 号 p. 107-110
壊死性筋膜炎を5例経験した.全例, コントロール不良の糖尿病を合併していた.5例中3例は多臓器不全などで死亡し, 2例は救命された.壊死性筋膜炎は早期診断が重要であり, コントロール不良の糖尿病が基礎疾患として存在し, 感染を伴う局所の炎症所見を認めた場合は, 壊死性筋膜炎を鑑別診断に加えるべきである.壊死性筋膜炎において, 基礎疾患の治療に加えて, 早期からの広域抗生剤の使用と可能な限りの広範囲デブリドマンが転帰を決定する重要な因子と考えられた.