2001 年 61 巻 1 号 p. 78-83
α2-アドレナリン作動薬であるクロニジンを用いてラット脳内における中枢性眼圧調節部位を検討した.雄性ウイスターラット (体重200-250g) の内側前庭神経核に0.1%クロニジン2μlを注入し, 眼圧に及ぼす影響を調べたところ, 有意な眼圧降下が認められた.しかし, 同部位に0.1%ヨヒンビン5μlを前投与するとクロニジンによる眼圧降下作用は認められなかった.また内側前庭神経核近傍に0.1%クロニジン2μlを注入しても, 眼圧降下作用は認められなかった.以上のことから, 内側前庭神経核はクロニジンによる眼圧降下作用の中枢性調節部位の一つであることが示唆された.