昭和医学会雑誌
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コラーゲン人工気管による気道再建に関する基礎的研究
門倉 義幸
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2001 年 61 巻 4 号 p. 458-467

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抄録
人工気管による気管再建は容易で簡便と思われるが, 現在理想的な材質のものは全くない.今回我々は臨床的に使用しうるコラーゲン人工気管を開発するために以下の動物実験を行った.1.牛腱より抽出したコラーゲン液のpH, 架橋条件 (熱, PEC, HMDIC) , 処理時間を変化させ, 作成条件の異なる8種のコラーゲン人工気管を作成した.2.それらを家兎の筋内に移植し, 組織親和性と吸収過程を検討した.3.2の結果より最適と思われた作成条件は, pH7コラーゲン液にHMDIC架橋で16時間処理したものと同コラーゲン液にPEC架橋で4時間処理したものであった.この2種の人工気管を家兎気管再建に使用し, 新気道形成過程を経時的に検討した.その結果, コラーゲン人工気管は組織内での親和性が良く異物反応を認めなかった.気管再建術後, 周囲組織より約12週で吸収されて消失し, 変わって適度な硬度をもつ結合織に置換され, 新たに形成された気管内腔には線毛円柱上皮の再生が確認された.コラーゲン人工気管は適切な架橋を入れることで, 気管再建術における最良の材料になりうるものであり, 最終的に生理的気管に近い再構築がなされ, 臨床応用が可能な人工気管と考える.
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