昭和医学会雑誌
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拘束ストレスが血液の流動性に与える影響
石野 徳子タイン ライン石川 慎太郎堀部 有三江黒 剛佐藤 孝雄久光 正
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2003 年 63 巻 3 号 p. 309-313

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抄録

ストレスが心臓, 血管などの循環系に神経性や体液性の機序によって大きな影響を与えることは良く知られている.しかしストレスが循環系の重要な要素のひとつである血液流動性に与える影響についてはほとんど知られていない, 我々は血液流動性の測定システムであるMC-FAN (micro channel array flow analyzer) を用いて拘束ストレスがラット血液の流動性に与える影響について検討した.ラットを体と同じ大きさのアクリル製ボックス中に6時間拘束した後の静脈血流動性は抗凝固薬としてヘパリンあるいはEDTAを用いた時いずれの場合も低下した.腹腔内にαプロッカー (フェントラミン) を前投与すると, 抗凝固薬としてヘパリンを用いた場合のみ血液流動性を増加させた.これらの結果はストレスが血液流動性を低下させる要因のひとつとしてノルアドレナリン系が関与している可能性を示唆する.

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