生体医工学
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抄録
メタボローム解析による大うつ病性障害血液マーカーの発見と検査技術の開発
大橋 由明
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2016 年 54Annual 巻 27AM-Abstract 号 p. S139

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抄録

大うつ病性障害(MDD)の罹患率は全世界で4.37%であるが、わが国では2.46%と言われており、韓国と並んで「うつ病患者の少ない国」である(Ferrari et al, PLoS Med., 10:e1001547, 2013)。これは、うつ病という疾病が適切に診断されていない、もしくは患者を発見できていないことに起因すると考えている。MDDを血液による診断方法の開発は、このような事態を改善するために有効であろう。そこで、自社の持つメタボローム解析技術により、MDD患者を鑑別できる代謝物質バイオマーカー(mBM)を探索した。解析の結果、リン酸エタノールアミン(PEA)が有望なmBM候補となり、確認試験などを経て実証を行った。また、検査キットの開発にも着手している。本講演では、PEA発見から検査キットの開発までを紹介する。

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© 2016 社団法人日本生体医工学会
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