生体医工学
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抄録
看護業務指向の情報端末とは
脇坂 仁
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2016 年 54Annual 巻 28AM-Abstract 号 p. S287

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抄録

看護業務で利用される情報端末にはいくつかの形態がある。タイマーやPHSのような比較的単機能のものから、非常に高機能なスマートフォンやタブレットまでさまざまなものが利用されている。情報端末の高機能化は電子カルテの登場によって加速している。電子カルテによって医療安全上、安全確認の意味も含めオーダーされた医療行為に対する実施入力を要求されることが多い。この場合電子カルテとリアルタイムで情報の遣り取りを行うため、かなり高度な機能を必要とし、必然的にスマートデバイスを利用することになる。一方、患者にかかわる医療情報の取扱保全について日増しに要求が高まっている。したがってこれらデバイスには高度なセキュリティ機能が求められる。このように高機能なシステムはその分高価なものとなり、医療コストの削減圧力により長期間使い続けることが前提となる。コストの面から現在個人で持つスマートフォンの存在に注目し、BYODと呼ばれる私有デバイスの活用が議論されているが、とりわけ機微性の高い医療情報を扱うシステムに接続して利用するにはセキュリティ上解決しなければならない問題が山積している。また医療の現場は変化も大きく、それに対応しきれないシステムが次第に使われなくなっていく現状もあり、これに順応できる、機器だけでなく人も含めた体制とは何か考察する。

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© 2016 社団法人日本生体医工学会
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