生体医工学
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抄録
非発作性心房細動に対するExTRa Mappingガイド下アブレーションの有用性:ExTRa Mapping Project
Takashi AshiharaKensuke SakataYusuke OkuyamaTomoya OzawaRyo HaraguchiShin InadaKazuo NakazawaTakeshi TsuchiyaMinoru Horie
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2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 331

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抄録

【背景】非発作性心房細動(Non-PAF)に対するカテーテルアブレーション治療戦略として,肺静脈隔離術(PVI)後にも心房細動の駆動力となっている旋回興奮波(AF driver)を修飾することが提案されている.しかし,AF driverの最適な検出方法は未解決のため,そのアプローチ自体の限界も指摘され始めている.【方法】Non-PAFの複雑な興奮波ダイナミクスを瞬時に映像化するため,最近我々はin silicoとAIを統合したオンライン-リアルタイム位相マッピングシステム(ExTRa Mapping)を開発した.本システムを24名のNon-PAF患者(64±9歳、持続3.5±4.3年)に適用し,非受動興奮が観察される時間割合(%NP)を指標にしたカテーテルアブレーションの有用性を評価した.【結果】(1) 8例ではPVI後にAF誘発性が無くなったため,ExTRa Mappingは実施しなかった.(2) ExTRa Mapping実施の16例では,AF driverを含むと考えられる高%NPの非受動興奮領域(NPA)でmultiple wavelets(12±5%)やmeandering rotor(30±7%)を多く観察した.(3) NPA標的アブレーション直後の再マッピングでは,%NPが65±12%から36±20%に減少していた(P <0.001).(4) 非再発率は 7.7±4.0か月のフォローで81%であった.(5) 難治性心房頻拍での再発は1例のみ(5%)と極めて少なかった.【結語】ExTRa MappingはAF driverの検出と修飾評価に有用で,Non-PAFアブレーションの長期成績を大幅に改善する可能性が示唆された.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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