生体医工学
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抄録
看護環境を支援するワイヤレスシステム
保坂 良資
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2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 332

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抄録

看護は医療の最前線である。外来診察室・手術室・病棟など、医療の至る場面で看護は不可欠である。ここに有用な機器やシステムが投入されれば、医療および患者の安全性は飛躍的に向上する。中でも、ヒトやモノなどの個体の合理的管理は有効である。最近でも、誤薬や鋼製小物の体内遺残など、個体管理不備に起因して人命が危険にさらされた事例が報告されている。一方、ワイヤレスシステムの普及が進展している。無線通信はエネルギが不可視なため危険視する者もいるが、合理的に設計されれば安全である。ワイヤレスシステムを合理的に応用すればヒュ-マンエラ-を回避でき、これに起因するヒトやモノの個体管理による事故を未然に防止できる。著者はワイヤレスシステムの中でもパッシブRFIDに着目して、その有用性を実験的に検証してきた。その中でもUHF帯のRFIDタグは特に優れており、様々な個体管理に応用できる。最大認証域が大きく、水分との相性も問題ない。手術環境程度の湿潤状態ならば、問題なく動作することも確認されている。ただし最近の報告では、HF帯・UHF帯共に、手術室のような狭小な環境では大きな電界値が観測されている。ここでは、UHF帯パッシブRFIDの有用性を示すと共に、狭小環境下での安全な運用方法についても示唆したい。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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