生体医工学
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抄録
EEGを用いた迷路課題中のFmθの時空間解析
濱中 臨田中 慶太内川 義則
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2017 年 55Annual 巻 4PM-Abstract 号 p. 347

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抄録

本研究は3次元迷路課題中のEEG計測を行い,空間認知とFmθ波の関連性の検討を行うことが目的である.EEG計測は国際電極配置法に基づき,増幅倍率20,000倍,アナログバンドパスフィルタ(0.5-100Hz)を介し,シールドルーム内で測定を行った.迷路課題は,迷路を記憶する記憶課題と,記憶した迷路を基に迷路のゴールを目指す試行課題の2つの課題とした.なお,迷路課題の難易度は,T字路と十字路の2種類の分岐点数を多くすることによって高めた.被験者は7名で事前にインフォームドコンセントを行った.信号処理としてはEEG波形のθ帯域を得るためにディジタルバンドパスフィルタ(4-8Hz)を用い,独立成分分析を用いて眼電図成分を除去した.さらに,時間周波数解析と特異値分解を用いて,Fmθの6Hz成分の出現区間を同定すると共に,Fmθ波に対する,各電極間の関連性を見るためにコヒーレンス解析を行った.その結果,Fzを中心とした前頭部領域近傍で高い相関が見られ,視覚領域である後頭部との相関は弱かった.今後は,さらに他の脳波成分との関連性の検討を行う予定である.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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