生体医工学
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抄録
0.25ピッチ屈折率分布レンズを用いた光学系によるIntegral Videography要素画像取得法の基礎原理確認
佐藤 佑樹小笠原 純平桑名 健太土肥 健純
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2017 年 55Annual 巻 5AM-Abstract 号 p. 391

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抄録

鏡視下手術において術者にとって直感的な認識が可能である3次元立体内視鏡装置が開発されたが,特殊なメガネが必要であることや視覚疲労が大きいことから手術現場には適さない.これに対し我々は裸眼観察可能かつ視覚疲労の少ないIntegral Videography(IV)を利用した立体表示内視鏡を提案している.IV方式立体表示法はレンズアレイと高解像度ディスプレイから成るIVディスプレイでIV表示用のIV要素画像を表示することで,物体の反射光を再現し視点に応じた立体像を表示する方法である.現在用いているステレオビジョンによるIV要素画像取得法では,IV要素画像作成に使用する三次元モデルの構築に必要な距離情報計測処理に時間を要するため,内視鏡映像に要求されるリアルタイム表示が困難であった.そこで本研究は処理時間短縮に向け,屈折率分布レンズを用いた光学系による,距離情報計測処理を必要としないIV要素画像取得法の原理確認を目的とする.屈折率分布レンズは0.25ピッチを選択することで,レンズ中心に入射する光の入射角度に応じて出射側でレンズ中心からの位置に対応させることが可能であり,IVディスプレイから出力すべき光路の光を取得できる.提案手法の原理確認として,IV表示に使用するレンズアレイの各レンズ背面に対応する画像群を個別に取得し,対応する位置に配置することでIV要素画像を作成した.またIV画像を観察し,観察対象の奥行きを表現出来ることを確認した.

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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