生体医工学
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抄録
トイレを利用した生体計測 -尿成分の光学計測システムを中心に-
田中 志信本井 幸介山越 憲一
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2017 年 55Annual 巻 5AM-Abstract 号 p. 423

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抄録

生活習慣病予防・健康寿命延伸のためには、血圧や体重などの「生体情報」を常日頃から計測し、長期間にわたり記録し続けることが重要である。この様な観点から、毎日必ず一度は利用する「トイレ」は生体情報取得の格好の場所であり、我々も従来よりトイレを利用した様々な無侵襲生体計測装置の試作開発を行ってきた。本OS講演では、山越憲一名誉教授(金沢大)のグループが開発してきた体重関連指標の長期モニタシステムやトイレ便座を利用した血圧計測システムの概要と計測データ例について紹介すると共に、光学式の尿中多成分モニタシステムの試作開発状況について併せて紹介する。後者のシステムの最終目標は光源に近赤外多波長LED、光検出器にフォトダイオードを用いた簡易構造のもので、そのための基礎的検討として使用波長数の低減化をこれまで進めてきた。その結果、現状で尿中の主要4成分:尿糖(グルコース)、尿素、クレアチニン、塩化ナトリウム(NaCl)を10種類以下の近赤外波長光で濃度推定可能であることを確認しており、その計測精度などについても報告したい。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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