2017 年 55Annual 巻 5PM-Abstract 号 p. 447
MicroRNA発現解析は、がんの早期発見に重要である。しかし従来装置は巨大で設置箇所が制限される、また解析に高額な試薬を大量に使用しなければならないという欠点がある。これらの問題解決のため、これまで当研究室では、少量試薬でのRT-PCRを可能とするマイクロデバイスの開発に成功したが、発現定量には従来装置を用いる必要があった。そこで今回、サブマイクロリットルスケールサンプルで、qRT-PCRによるRNA発現量の定量解析までを可能とするマイクロデバイスの開発に成功した。本デバイスは手のひらに乗るサイズでありながら、1度に複数サンプルの同時発現解析を可能とする。デバイスはリアクタモジュール、スペーサモジュール、ヒータモジュール及びフォトセンサモジュールから成り、これらのモジュールを立体的に組み合わせることで構築される。これにより、加熱や蛍光観察が必要な範囲を最小限に抑え、反応施行に必要なエネルギーを大幅に削減した。リアクタは極めて薄いポリプロピレンフィルムより作製した。これにより熱伝導率や透明度を改善し、少量サンプルでの効率の良い反応、蛍光観察が可能である。また非常に簡単な手順で、かつ低コストでの作製が可能であり、ディスポーザブル性に優れる。本デバイス内でqRT-PCRを施行したところ、温度サイクル毎にサンプルの蛍光強度が増加する様子が観察された。