2017 年 55Annual 巻 5PM-Abstract 号 p. 495
本研究では電極を直接皮膚に貼る必要のない容量結合型心電計を用いて就寝中の心電図を測定し、異常心拍の検出方法について検討した。電極は帯状で、被験者が仰臥位時に、+極は臀部の裏側に-極を肩甲骨の裏側に、アースは腰上部の裏側にくるようの配置し、測定時は自由姿勢とした。健常と期外収縮が確認される対象者の心電図信号を40分間取得した。同時に表面電極からECG信号を測定し比較した。本実験は倫理委員会の承認を得て、実験の詳細説明ののち、被験者からの同意を取った。計測後バンドパスフィルタ(1-40Hz)と閾値処理によるR波検出を行った。 健常者では解析可能区間20分間、1396拍中1393拍(99.8%)を、また期外収縮が確認される対象者は14分間、1162拍中、1146拍(98.6%)を検出できた。期外収縮は32拍中31心拍を検出することができた。また形態はノイズの程度にも影響されるが、P、QRS、T波の識別も可能であった。ノイズ除去、寝る際の姿勢による各波形成分の振幅変動など懸念すべき点はあるものの、R波の検出、各波形成分の形態の判別が可能であるため、深層機械学習で異常心電図の検出も可能であると考えられた。