生体医工学
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抄録
集約型In-Bedシート電極センサを用いた非接触無拘束マルチバイタルセンシングにおける脈動検出精度の向上
高野 万由子山口 雅史植野 彰規
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2017 年 55Annual 巻 5PM-Abstract 号 p. 496

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抄録

本報では,心電図・呼吸・脈動・体位・離着床の複数生体情報を、非接触無拘束同時計測する集約型In-bedシート電極センサについて、脈動の検出精度向上を目的に行った検討結果について報告する。ベッドシーツの下に設置したシート電極センサには、仰臥位被験者の心臓を挟むよう上背部と下背部の直下に帯状電極が心電図計測用に配置されている。心電図計測用電極はドリブンシールドとグラウンド(GND)で囲われており、更に心電図用電極の上段の肩部直下と下段の腰部直下に脈動検出用1次帯状電極センサが配置されている。また、GNDは脈動検出用の2次電極センサを兼ねる。初期試作電極では、GND-背部間の容量結合面積が不十分で、脈動の検出精度が悪かった。そこで、心電図計測用電極の間に、脈動検出用2次帯状電極センサを追加し、精度向上を図った。追加電極センサの幅を10、30、50 mmとした場合について、被験者1名の20分間安静仰臥位計測を行った。各計測結果において最も安定していた10分間を対象に脈動ピークを検出し、参照心電図のR波のタイミングを基準に検出精度を算出した。結果、上背部の脈動は10、30、50 mmの順にそれぞれ17.7、30.7、77.5 %であった。腰部の脈動は、13.2、35.6、53.2 %であった。以上より、追加電極センサの幅を50 mmとした場合に、脈動検出精度が最も向上すると示唆された。

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© 2017 社団法人日本生体医工学会
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