生体医工学
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臓器モデルのHi-Fi化とSustainabilityがもたらす外科手術トレーニングの新展開
川平 洋中村 亮一前田 佳孝鈴木 義彦浅田 義和遠藤 和洋佐久間 康成細谷 好則堀江 久永レフォー アラン佐田 尚宏
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S200_1

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抄録

昨今の内視鏡外科手術の普及に伴い、シミュレーション教育や手術トレーニング環境の整備が進んだ。特に内視鏡外科手術では、外科医は体腔内臓器をモニタ画像情報で判断し、手術を行う。特に執刀医、助手すべてが同じ術野を共有することから、オンサイトでのトレーニングが可能である。手術映像を記録可能なことから、繰り返し再生によるオフサイトトレーニングも広く行われている。実際の手術を想定したオフサイトでのタスクトレーニングは、最善の手術を完遂する上で重要である。開腹手術に比較し多様な機材を使用する内視鏡外科手術では、高忠実度(Hi-Fi)臓器モデルによる手術トレーニングも行われている。Hi-Fiモデルでは、より実践に近い感覚でトレーニングを行うことが可能と考えられる。このような臓器モデルはシリコン樹脂やPVAなどの石油原料由来の臓器モデルが主である。ところがトレーニングモデルにおいても廃棄物の問題は重要であり、マンナンなどの植物由来原料を用いたタスクトレーニングモデルも開発されている。継続してトレーニングが必要な手術教育においては、コストを含めた持続可能なトレーニング環境の整備が必須である。

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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