生体医工学
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血管内検査・治療における訓練と機器開発評価のための血管モデルとマイクロセンサ搭載血管モデル
芳賀 洋一太田 信清水 康智松永 忠雄庄島 正明吉田 洋長野 凌太于 凱鴻
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2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S204_1

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抄録

カテーテル,ガイドワイヤーを用いた血管内検査・治療において,医師の訓練の際,および医療機器開発の際の評価に役立てる目的で,血管壁の弾性,摩擦係数などの物理特性を人体内の血管に近い値で再現したPVA-H(ポリビニルアルコールハイドロゲル)を材料として用いた血管モデルを開発してきた.さらにカテーテルやガイドワイヤーを血管壁に物理的な負担を与えずに短時間で病変部まで到達しているかを定量化し計測するため,血管内壁に器具が接触し内側から押され血管壁が変位した値と変位に伴う血管周囲組織の内圧変化を計測する超音波変位センサおよび光ファイバ圧力センサを搭載した(図).また,血管内治療の前後の動脈瘤内における局所の圧変化を測定するため,光ファイバ圧力センサを動脈瘤内に搭載した.センサ搭載血管モデルは医療機器を新たに開発する際の効果および安全性の評価にも役立つ. 3Dプリンタを用いて水溶性PVAをパターニングし型として用い,内部に血管材料となるPVAを注入することを繰り返し行うことで血管壁を積層し,積層途中でセンサを位置合わせ搭載する開発も行っており,センサ搭載血管モデルを精度良く複数個同時に組み立てることを目指している.

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© 2019 社団法人日本生体医工学会
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