2019 年 Annual57 巻 Abstract 号 p. S50_1
現在,生殖補助医療により多くの子供が誕生しているが,その胚移植後の妊娠率の低さは患者の大きな負担となっている.胚移植後の妊娠率が低い原因の一つとして,女性の体内に注入された胚が子宮内を浮遊し,着床好適部位から離れて着床に失敗することが考えられる.しかし,この問題点を解決する有効な手法は現時点では存在していない.そこで,本研究では磁場で制御されたマイクロロボットを用いて,胚を適切な着床位置に留める手法を提案する.このことは胚移植後の着床率を高める可能性があり,また,不適切な位置への着床による子宮外妊娠を防止することができる.本手法ではマイクロロボット,カテーテル,外部誘導磁場を用いる.まず,胚を収容したマイクロロボットを,カテーテルによって子宮内の着床好適部位に移送する.着床に必要な期間の間(半日から三日程度),外部からの誘導磁場によって,マイクロロボットを着床好適部位に固定する.マイクロロボットはその位置で胚を放出し,保持する.着床に成功したら,再びカテーテルによってマイクロロボットを回収する.本発表では,提案する手法で用いられる器具のプロトタイプを開発した.