2024 年 Annual62 巻 Abstract 号 p. 207_2
【目的】乳児てんかん性スパズム症候群(IESS)は乳幼児の発達性てんかん性脳症である。IESSの長期てんかん発作予後を予測することは,特に原因不明のIESS患者において困難である。本研究は、IESSの特徴的な脳波であるhypsarrhythmiaから機械学習を用いて原因不明のIESSの長期発作予後を予測することを目的とした。【方法】当院で原因不明のIESSと診断、治療され5年以上追跡された18例を対象とした。フォローアップの中でてんかん治療が不要となっていた13例を予後良好群、治療の継続が必要とされていた5例を予後不良群とした。予後良好群の一部のみを学習用データとし、異常検知をMulti-heads Self-attention autoencoderを用いて行った。Hypsarrhythmiaの主な構成要素であるδ帯域およびβ帯域を抽出し、ヒルベルト変換を用いて各帯域の位相を算出し特徴量とした。学習時に最小化する誤差として再構成誤差を採用した。ランダムにデータセットを交換して10回繰り返した。【結果】予後不良群の同定において、モデルはそれぞれ感度1.00±0.00、特異度0.94±0.09、精度0.97±0.05、ROC曲線下面積は0.96±0.05であった。【結論】Self-attention autoencoderは、原因不明のIESSの発作予後予測を高い精度で可能にした。