抄録
自動車等の塗装時、処理物表面に非金属皮膜を形成させ、耐食性と塗料の密着性を向上させる化成処理が行われる。このとき、処理剤としてリン酸亜鉛を主とするリン酸塩が用いされ、処理後にリン酸鉄を主成分とするスラッジが排出される。このスラッジを原料に二次電池正極材料であるリン酸鉄リチウムを合成し、その電極特性を測定した。スラッジを原料とした正極材料は、オリビン型リン酸鉄リチウムとよく似た結晶構造を有した。また、比較のために合成したリン酸鉄リチウムの放電容量の51%にあたる73mAh/gの容量を示し、放電容量の低下も大きいものの繰り返しの充放電が可能であった。原料中の不純物含有量を低下させることにより、より高い放電容量と良好なサイクル特性を持つ正極材料の合成が期待され、スラッジの有効な再利用方法となり得ると考えられる。