抄録
本研究では、埋立廃棄物の分解に伴う「液相分配量」の予測式として「単位体積当たりの累積浸出水量」を変数とした自然対数式を用いること、及び埋立構造の違いを炭酸ガスメタン比を基に可溶化期間を推定することを提案し、その妥当性について検討した。その結果、好気割合の推定方法に改良の必要性があるものの、本予測モデルによって、液相への分配量を推定できることがわかった。本研究で提案した予測モデルの予測値を用いて、埋立構造別の溶出率を算出すると、準好気性槽は嫌気性槽に比べ38%~56%の炭素溶出削減効果が見込まれる結果となった。今回提案した「液相への分配量予測モデル」によって、降水量の多いアジア地域における埋立地から有機汚濁物質の浸出水への流出量を推定できたことは、埋立地からの温室効果ガスの発生量の予測精度の向上に貢献するものと考えられる。