捕獲鳥獣の適正処理方法の一つとして、既存焼却炉への投入が検討された。その前段において、大型鳥獣については高温発酵処理により減容化することで炉へ円滑に投入することが可能である。本報は捕獲鳥獣の高温発酵処理において処理を担う高温微生物の挙動を解析し、処理反応を理解することを目的とした。イノシシの高温発酵処理実験を行い、その過程での高温菌数の計測および高温菌の取得、同定解析を行った。高温発酵処理実験では木くず、牛ふん、牛ふん堆肥を混合した発酵床中にイノシシを埋没させた。処理2週間で45%(w/w)の減容化が確認できた。4週間の実験期間を通して高温菌数は発酵床単位乾燥重量当たり108~1010CFU程度を維持していた。高温菌として15菌株を取得し、各菌株の同定を行った。本報は動物体の高温発酵処理の主体となる微生物群集の系統分類に関して初めて報告するものである。