抄録
1990年代後半からのEU埋立指令による廃棄物の最終処分回避、石油燃料価格の上昇対策、地域熱供給源の提供などを目的や、リサイクル技術・産業の未成熟を理由に依然としてSRFを利用している欧州加盟国は少なくない。本研究では、循環経済政策パッケージをはじめとする廃棄物政策ならびに資源循環政策がSRFの製造と利用にどのような影響を及ぼしうるかを論考することとした。SRFの製造と利用に係る既存のルールを参照しつつ、とりわけEUで先行しているEnd of waste基準の適用に着目して検討を行い、その上で、都市廃棄物からのSRFの製造と利用が増加しているアジア諸国におけるSRF政策への示唆を考察した。