主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第29回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 29
開催地: 名古屋大学東山キャンパス
開催日: 2018/09/12 - 2018/09/14
スウェーデンの一般廃棄物の焼却率は48%である。全ての焼却施設にて熱利用が進められ、地域暖房に使われている。地域暖房の利用拡大も進んでいる。焼却から、どれほど熱エネルギーが回収され、地域暖房に用いられているのか。何故どのように利用拡大は進んでいるのか。本稿では、まず国全体の統計を確認し、スコーネ州北部の事例検証を行った。具体的には、焼却熱利用に関わるアクターの相互関係の分析を行い、近年、焼却熱のDH利用拡大が拡大しているガバナンス上の要件を探った。
分析の結果、焼却熱のDH利用とその拡大は、ごみ適性処理というよりは、低炭素経済にむけた持続可能なエネルギー戦略の中に位置づけられていることがわかった。一方、アクター分析から、地方分権、新公共経営の拡大、政治主導の環境目標、シビリアン・コントロールといった、スウェーデン特有のガバナンス上の諸条件が、利用拡大の背景にひかえていることが見えてきた。