主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 31
開催地: Web開催 北海道大学工学部
開催日: 2020/09/16 - 2020/09/18
本研究では、農業の振興が期待される山梨県を事例に、食糧生産システム内で生じる窒素負荷ならびに資源の循環を一体的に把握できる窒素フローモデルを作成した。その上で、地域別に窒素の需給バランスを把握し、その見直しが行われた際のフロー変動を評価することを目的とした。食品産業に関するフローは、産業連関表の金額フローを用いて物質フローを把握し、窒素量へ変換して推計した。また廃棄物、再生資源化等のフローは各種文献・統計を用いて推計した。結果、中北地域と富士・東部地域では飼料自給率が低く、かつ域内で堆肥が供給過剰となっていることが分かった。そこで、両地域に分布する再生利用可能農地で飼料用米の生産、並びに食品製造業から発生する動植物性残渣の再利用先を堆肥化から飼料化へ転換した際の効果を試算したところ、窒素負荷ならびに窒素ベースでの循環率は改善され、食糧生産システム向上の可能性を定量的に示すことができた。