排出事業者が産業廃棄物の処理責任を全うし、適正処理に取り組むためには、それぞれの業種ごとに異なる産業廃棄物の処理の際の留意点を十分に理解することが必要である。また、産業廃棄物の排出事業者は、適正処理のために必要な廃棄物情報の伝達の取組みが重要である。
そこで、(公財)日本産業廃棄物処理振興センターでは、産業廃棄物の排出量が多く、取扱いに注意を要する廃棄物が排出されることが多い化学工業を対象に、排出事業者における産業廃棄物の適正処理に関する取組み事例を調査し、排出事業者責任の徹底と産業廃棄物の適正処理に関する体系立った理解や意識の向上を促すことを目的とした事例集を作成した。本報告は、事例集作成にあたり実施した化学工業の排出事業者へのヒアリング調査結果から、産業廃棄物情報の伝達に関する取組み、排出事業場の安全管理に関する取組み事例を参考情報として提供するものである。