主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第34回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 34
開催地: 大阪工業大学
開催日: 2023/09/11 - 2023/09/13
海洋プラスチック問題等から2010年代半ばからプラスチックの資源循環は新たな局面を迎え,各国・地域で対応が進められている。本報告では同じく非EUの先進国であるイギリスと日本の対応をEPR(拡大生産者責任)の視点から分析し,差異の実態とその意味を考察した。方法としては,両国の新政策による生産者責任の変化を,物理的,金銭的,情報的の3つに分類し,更にそれぞれを収集,循環利用・適正処理,製品設計,制度構築の4側面から分析した。結果両者には明瞭な差が認められた。イギリスが物理的,金銭的,情報的各面での政策手段の組み合わせで生産者責任の強化を図っているのに対し,日本では金銭的責任が伴う手段は採用されず,自主的取り組みに重点が置かれ,生産物連鎖中の各主体(生産,流通・販売,利用,リサイクル)が連携して各々実行すべき役割を果たすことが目指されている。今後政策効果の実証と両者の差の原因の考察が必要である