ごみ燃焼ボイラの燃焼管理および制御において、ごみの焼却量や燃焼熱量を把握することは極めて重要である。現在、ごみ焼却量は、一般にごみクレーンから焼却炉ごみホッパへの投入量を焼却量と見なしている。しかし、投入ごみが完全に燃焼するまでには1時間以上を要するので[1]、応答に遅れが生じる。したがって、即時的に正確なごみ焼却量や燃焼熱量を推定することが必要である。その方法として、ボイラ蒸発量を基に入熱量を推定する方法が考えられるが、燃焼過程よりもボイラの伝熱過程には相当の時間遅れが存在するために即時性に欠ける。そこで我々は、ボイラ蒸発量に依存する熱平衡によらずに、空気量とガス量を用いてごみ焼却量と燃焼熱量を推定する手法を考案した。そのために本研究では、実際のごみ焼却プラントの実機運転データの解析を行い、その結果により補正した値を用いて炉発生熱量のシミュレーションを行い、妥当性を検討した。