抄録
図1に示すような,流れに対して直列に配置された2円柱の後流では,低レイノルズ数において,間隙比Γ=l/dに依存して2つの異なる流れのモードが現れる.すなわち,2円柱間の流線が閉じ,それらがあたかも一つの楕円柱であるかのように,そのサイズの流れの変動が生じるモード(Slow mode),および上流円柱後流の対称性が崩れ,円柱スケールの変動が生じるモード(Fast mode)である.本研究では,Mizushima & Suehiroによる数値シミュレーションと線形安定性解析により示されたヒステリシス的なモード変化を実験的に検証するとともに,円柱が有限長さを持つことにより生じる3次元効果の影響について述べる.